50年も生きていると、長い月日の中に様々な場面場面が記憶のアルバムに貼りつけてある。ふとした時に思い出すと、あの時はこうだったなぁ、楽しかったなぁなんて心がほっこりとする。
もちろん、良い思い出だけじゃない。悲しくて思い出したくもない記憶も残っている。それは未だに昇華しきれていない記憶のため、無理に引き出しを開かないようにしている。
それでも、忘れるわけでは無いのだけれど、まだ、生きて行かなければならないので、その部分はひっそりと閉じ込めておく方が良い。
月日がどれだけ経過しようと、その時々の場面は昨日の事のように鮮やかに思い出す事が出来る。匂いも感覚さえも細やかに思い出せるのがすごいと思う。
ランドセルを背負って、道草をくいながら帰宅したあの道の匂い、気温、自分の仕草、思考、全てそのままなんだよね。
自分だけの宝物、素晴らしい宝物だよね。