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硫黄島は隆起し続けている

先日、AMMの報道で硫黄島の沈没船が剥き出しになった映像が流れました。

f:id:saikaix:20211018161512j:plain         (ANNニュースより)

この沈没船は第二次世界大戦での激しい激戦地になった硫黄島のものです。戦後、アメリカ軍が港を作るために船を沈めて足場にしようとした船なのだそうです。

つまり、海底に沈んでいた沈没船が、島の隆起により陸上に姿を現してしまったという事のようですね。

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上の写真のように、数十年前まではまだ、海水に使っていた状態です。それにしてもかなり早い期間で硫黄島が隆起しているのがわかります。

[硫黄島返還]

戦後、小笠原群島と硫黄列島アメリカに併合されてしまいました。そして1967(昭和42)年に、小笠原群島と硫黄列島の施政権が日本に返還されます。

それに伴い離島させられた元硫黄島民の間で、帰還の期待が高まりました。しかし、1970年の佐藤内閣は、小笠原諸島復興計画において当面は、「帰島および復興計画の対象は、父島および母島」と決定してしまいました。

硫黄島は、大戦時の激戦区です。そのため不発弾処理がまだ終わっていない事から帰島するには危険だとして、復興、帰島計画からは外されてしまったのです。また、硫黄島の火山活動が衰えておらず、安全性の確認を理由に対象から外されたのです。

[自衛隊硫黄島]

硫黄島周辺では1970年代から自衛隊の対潜哨戒機(たいせんしょうかいき)の訓練がしばしば行われるようになります。1981年には整備がはじまり、1984年には航空自衛隊硫黄島基地隊が新設されています。

 さらに1988年に騒音問題から厚木基地の艦載機の陸上離着陸訓練のうちの夜間離着陸訓練が暫定的に硫黄島に移された事もあり、その後も自衛隊の訓練場所として使われる事になります。

それは現在も続いていて、硫黄島は人の立ち入る事の出来ない「無人島」になってしまったのです。

[硫黄島の隆起]

小笠原諸島では相次ぐ火山活動が続いている中、2021年8月13日、海底火山の大規模な噴火が起きました。翌14日には「西之島」が一年ぶりに噴火しています。

最近、海底での火山活動が活発化しています。そんな中でも硫黄島は一番変化が多い火山で、なんと1ヶ月で10センチも隆起しているのです。これはもの凄い変化の速さです。

近いうちに硫黄島の噴火があるだろうと専門家は見ているようです。

[過去の遺物]

戦争は悲惨な記憶を日本人に植え付けました。日本は戦争を放棄し、軍隊を解散させています。戦後から今まで、日本には戦争のない平和な時代が続きました。

あの硫黄島の陸にある沈没船を見て、どんな感情を抱くでしょう。戦争体験者の目にも未経験者の目にも哀しみの残骸に映るのでしょうか?それとも歴史の一部として映るのでしょうか?